2004年2月 首里金城町共同井戸の移り変わり
以前勤めていた建築研究室DAPでの仕事で、
『首里金城町共同井戸の復元(那覇市教育委員会の委託)平成4年』
という仕事を担当しました。10年以上も前の仕事です。
危険防止用の囲いや、コンクリートの覆いを取り除き、壊れた石垣や、
石畳部分の補修がメインでしたが、まだ、井戸水を生活水や散水に利用している家が、
水道パイプ等を石畳の溝を利用して各家庭に引いているのを、隠す必要がありました。
全ての家をまわり、年寄りからのヒヤリングを行いました。
老人の記憶があいまいになったり、亡くなったり、時間を戻す事の大変さと重大さを認識しました。
自分の目でなるべく多くのものを、見ておこう、記録していこうと思いました。
水は、人間に必要な物です。水道が整備されるまでは、集落はきれいな水と共にありました。
そのころの人々の思いが石積みの建造物とともにカーや、樋川には現れているように思います。
(根路銘安史)